AI利用ガイド
この授業での生成AIの使い方。AIは「思考のパートナー」であり、代筆者ではありません。
使うAI
授業内の演習と提出物では、大学が提供する Copilot を使います。大学のアカウントでサインインしてください。大学のAI利用規程が、このページの内容より優先します。
基本の考え方
この授業が重視するのは、シラバスの言葉で言えば「単にAIに代筆させるのではなく、AIとの対話を通じて『問い』を深め、論理的な構成を構築し、批判的に出力を吟味するプロセス」です。次の4つを守ってください。
- 問いは自分が持つ。 テーマを決め、何を知りたいのかを言葉にするのは自分の仕事です。AIは視点を広げる相手として使います。
- 出力は素材であって完成品ではない。 AIの出力をそのまま提出物に貼ることはしません。読み、検証し、自分の言葉で書き直します。
- 事実は一次資料で確かめる。 数値、固有名詞、文献情報は、必ず元の資料(論文、統計、公式サイト)で確認します。
- 使ったことを隠さない。 どこでどうAIを使ったかを記録し、提出物に明記します。AI活用の透明性は評価の対象です。
してよいこと、気をつけること、しないこと
してよいこと
- テーマから問いの候補を出す(ブレスト)
- 検索キーワードや関連分野の候補を挙げてもらう
- 難しい文章の要約や言い換えを頼み、原文を読む手がかりにする
- 自分の主張に対する反論や弱点を挙げてもらう
- 構成案(アウトライン)を一緒に作る
- 自分が書いた文章の誤字、表現、論理の飛躍を指摘してもらう
- 店舗コンセプトの発想、ペルソナ設定、行動のシミュレーションなど、発想を広げる作業
気をつけること
- 文献情報。 AIが挙げた論文や書籍は、実在しないことがあります。CiNii Research、Google Scholar、J-STAGE、図書館の蔵書検索などで必ず実在と内容を確認し、確認できないものは使いません。
- 数値と統計。 出典を確認し、確認できない数値は使いません。
- 個人情報と非公開情報。 他人の個人情報や、企業から提供された非公開の資料・データは入力しません。産学連携で扱う情報の取り扱いは第6回で確認します。
- 著作権。 論文や書籍の全文を入力する場合は、大学のAI利用規程と、その資料の利用条件を確認します。生成された画像やコピーは、既存の作品や商標に似ていないか確認します。
しないこと
- AIの出力をそのまま、あるいは表現だけ変えて提出物にする
- 実在を確認していない文献を引用する
- AIを使った箇所を隠す、または記録しない
ハルシネーションへの備え
生成AIは、もっともらしいが誤った内容(ハルシネーション)を、自信のある口調で出力することがあります。第1回では実際にこれを体験します。出力を使う前に、次を確認してください。
出力を使う前のチェック
- 固有名詞(人名、組織名、書名、論文名)は実在するか
- 数値には出典があるか。出典にあたって同じ数値か
- 「〜と言われている」「一般に」など、根拠のない断定になっていないか
- 反対の見解や例外はないか。「この主張に反する証拠は」と聞いたか
- 自分で説明できるか。説明できない内容は使わない
AI活用記録の書き方
提出物には、次の形式で「AI活用記録」を添えてください。評価基準の「AI活用の透明性」はここで確認します。長くなくてかまいません。使っていない場合は「使用なし」と書きます。
AI活用記録(提出物に添付)
- 使用したツール Copilot(大学提供)
- 使用した場面 例:問いの候補出し、検索キーワードの検討、要約、反論の生成、表現の推敲
- 主なプロンプト 実際に使った指示を1〜3個。長い場合は要点でよい
- 出力をどう扱ったか 採用した点、修正した点、採用しなかった点とその理由
- 検証したこと 事実、文献、数値を、何で確認したか
レポート本文でのAI利用の明記
本文の冒頭または末尾に、次のような一文を入れます。
本レポートの作成にあたり、問いの候補出しと構成案の検討に大学が提供する Copilot を使用した。出力はすべて筆者が一次資料に基づいて検証し、文章は筆者自身が執筆した。
AIの出力そのものを引用する必要がある場合は、「Copilot に『〜』と入力した際の出力(2026年10月7日)」のように、プロンプトと日付がわかる形で示します。
プロンプトの基本
AIとの対話の質は、指示の質で決まります。この授業では次の4つの要素を意識します。
プロンプトの4要素
- 役割 AIに立ってほしい立場。「あなたは経営学を専門とする大学教員です」「あなたは厳しい査読者です」
- 目的と背景 何のために、どんな状況で必要か。「2年生の演習で、店舗設計の提案を作っています」
- 条件 範囲、制約、避けてほしいこと。「日本国内の事例に限る」「文献名は挙げないでください」
- 出力の形式 箇条書き、表、文字数、案の数。「300字以内」「10案を表で」
対話を深めるコツ
- 一度で終わらせず、出力に対して「なぜ」「他には」「反対の立場だと」と続ける
- 良い出力があっても、「この案の弱点は」と聞いてから採用する
- 出力が抽象的なときは、具体例、数値、条件を追加して聞き直す
- 自分の考えを先に書いてから、AIに批評させる。AIの案に引きずられない
各回のページに、その回で使うプロンプト例を載せています。
困ったとき
- Copilot にサインインできない、動作がおかしいときは、授業中に担当教員に知らせてください。
- AIの利用について判断に迷うときは、使う前に相談してください。使った場合は、必ず記録に書いてください。